勝手な対談、我がまま討論

 

ハイロ観客によるトークを記載(不定期更新)

 

夏のハイロ・フリースペース 勝手な対談、わがまま討論 

●当日の「よろず屋コーナー」&「アンチ・よろず屋コーナー」について

話し手:山本大地(観客)/加藤照康(作家)/櫻井先生(作家)/安土実(作家) 聞き手:マエダ・シゲル

 

two sheep 木村  /  デジタル・ビデオ / 1 / 2015

櫻井:羊が行ったり来たり、それだけで絵にするというのにセンスを感じます。

 

water surface 木村  / デジタル・ビデオ / 38 /2016

山本:見つめていることのできる水面というものが38分、というのは強い意志が必要だと思う。どこまで自覚的か。

 

after image 木村  / デジタル・ビデオ / 5 / 2017

山本:自然の偶然の動き、風景の方がCGより複雑で、だから面白いということだよね。

 

雅に風/柴田容子/DVD/約20分

山本:タイトルが意味するもの、神社をイメージするもの、自然賛歌をイメージするものを組み合わせて、簡単にイメージ化してしまう。それは最悪な政治的なプロパガンダなんです。

加藤:俺はそのストレートな部分を良いと思った。作品として面白ければいいんじゃないですか。

山本:批評的な部分がないでしょう、作品の中に。たまたまそうなったように見えてしまう。そこがダメな部分。

 

リボルビング・ハピネス/はしもとまきこ/DVD /10分/2017年

マエダ:発想は面白い。でもシナリオの文章上の表現以上の作品になっていないんじゃないかと。

山本:最初に計画されたものを実現するに留まったことで退屈さが生れても、一番記号的なシーンはセックスシーンだけれど、見過ごしても平気になりつつあります。やりたかったことに興味があるから。

 

闇景さんざめき/チーム・アナドルナ=鈴木所長、スナミマコト、ほしのあきら、音響デザイン=マエダ・シゲル/8ミリサイレント/17分/2016年

加藤:テーマが把握しずらくて、戸惑いました。絵はおしゃれで良いなと感じました

櫻井:手作業のコンセプト自体は興味をそそります。

山本:作品の出来上がりが見えない、ルール、強制、縛り、理詰めがあって、積み重ねの中で出来上がったものに出会って行く、という作り方は非常にエキセントリックな追及、欲望ですよね。

マエダ:大胆だけれど、とてもデリケートですね。でも失敗作ですよ、表層の部分では面白くなかった。

山本:いわゆる「映画」というより、目撃しているのは「出来事」ですね。だから崩壊もありじゃ!みたいな。

 

プログレ娘のリストカット/加藤照康/DVD/8分/2017年

マエダ:収穫といっていいのか、オリジナルの加藤さんの作品であること、非常に変な作品であることが嬉しかった。

山本:設計図からして「変」だから、いわゆる「映画」の想像的タイミングをはぐらかしているから退屈しないよね。

加藤:自分が笑って欲しいタイミングと、みんなが笑うタイミングが違うのが、なんか悩みなんですけど。

櫻井:その落差がいんじゃないんですかね。でも笑いどころはタイミングではありませんよ。

 

ある春の日の事/マエダシゲル/8ミリ サイレント/20分/2004年

櫻井:自分がきれいだなと思った風景を撮った、綴った、それだけでも良いと思いました。字幕が先、映像が先?

山本:常にカメラを持って日常を撮る、撮ろうとしている行為が語りかけて来るものと字幕の後付けがしっくりこない。無理に構成しようとする歪みが。でも、はっと感じてぱっと撮る、映像からその瞬発力は非常に伝わって来ます。

 

「シバタの褒め殺し・ブリリアントな53秒コーナー」

山本:誰にも彼にも映像を撮らせてそれを見てみたい…変態的な欲望を実現してしまおうという興味。カメラを押し付けて強引に撮らせてしまう。柴田さんにしかできないですよ。ある意味ハイロのテーマを具現化してますよね。

マエダ:出品作について。安土さんの最初の53秒がスマホの女装の自撮りだったなんて…ご自分でいかがですか?

安土 :ちゃんとコンセプトを説明されれば映画好きだから。スマホ画像ではなく撮って考えたものを見せたかったですね。人が見るとか見せるとか感じが違いますよ。難しいですけど意識がね、変わってきますよ。

 

●ハイロの上映会について

加藤:意見を聞けるのが何よりも良い。他人の作品に意見を言うのが難しい。

安土:話してもらえることって、批判されたり同調されたりすることって、自分で分からないことに出会えるから大きいことですよね。良いことですよね。映像って何よりも見てみたいっていう「心の感覚」を揺さぶりますから。

山本:8ミリはハイキングだった手軽さが冬山登山をアタックする人の趣味、重装備になっている。昔とは違う。違うから生れる。そこを意識して活動するのは大切なことだと思っている。               

                      (2017.8.6 .17:00~ at学芸大駅前某所)